目次
世の中にはいろんなパンプスが溢れている!
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ピンヒール、フレンチヒール、チャンキーヒール、キトゥンヒール………
一体どれだけの種類があるの?どう違うの?
そんなヒールに関する疑問、ごっそりまとめました。
TPOや自分に合ったヒールを選べるのはもちろん、ちょっとしたヒールの違いを語れるようになるかも♡
そもそもヒール靴の起源って?
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履物の歴史はとても古くから、文明の発達した分だけ多くの歴史が語られています。
こと”ヒール靴”という括りになると、紀元前400年代のギリシャの遊女が履いていたものが記録上一番古いのではないでしょうか。
意外に思うかもしれませんが、当時ヒール靴を履く目的は今とさほど変わらず「背を高く、すらっと見せるため」だったようです。
当時の道路事情等を考えると当然歩くためではないことは明白ですが、2500年前の靴が現在とほぼ同じ目的で履かれていたというのは面白いですよね。
当時から背が高くすらっとした姿は男女問わず格好良く、セクシーなものだったのです。
ちなみにこの頃のヒール靴はこのあと1000年にわたり歴史上から姿を消します。
一度歴史から姿を消したものが再登場するのもまた面白い話ですが、1000年後にハイヒールをファッションとして昇華させたのはかの有名な「ルイ14世」です。
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ルイ14世がハイヒールをファッションアイテムとして流行させるより少し前、ヒール靴は歴史上に再び登場するのですが、今度の登場はまったく異なる目的のためでした。
衝撃的な話ですが1600年代のフランス・パリでは衛生概念が非常に低く、汚物が街中に散乱している状態だったと言います。
歩くところがあまりに汚かったので、汚物で洋服の裾を汚さないため、また、できるだけ踏まないようにと発達していったのがハイヒールでした。
なんとも汚い話ですね…
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このなんとも言えない再登場を果たしてしまったハイヒールをファッションへと昇華させたルイ14世。
ハイヒールを履いた時、背筋がピンと伸びる様や脚の筋肉がキュッと引き締まって見える美しさにハマり、男女問わず履かせては舞踏会を開いていたそう。
のちに登場しますがこの頃の名残として「ルイヒール」なるジャンルまで生まれます。
当時は男性も履いていたというのもびっくりですが、”汚物避け”からファッションジャンルへ戻ってきてくれて何よりです。
その後、ナポレオン戦争のあたりから男性は戦争に行ける実用的なブーツタイプの靴を履くようになり、ハイヒールは女性のものとして現代まで発展していくわけです。
ヒールの種類
ハイヒールはファッションアイテムとして発達していく中で様々な種類が生まれます。
その中で定義が曖昧になったものやどんどん生まれる新しいジャンルもあるので明確に分けきれない部分もあるのですが、近年の日本で出会うことの多いタイプを中心に紹介していきます。
【ハイヒール〈High heels〉】
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言葉のとおり「高いヒール」の靴のこと。
しかし、具体的には何cmからがハイヒールなの?と思う方も多いはず…
実はきっちり明確に決められているわけではありませんが、一般的には7cm以上のヒール靴はハイヒールと呼んでいいみたいです。
ただし、メーカーやブランドによってその基準は異なるので一概には言えませんね。
かくいうMAMIANも5~8cm程度のヒールはミドルヒール、ハイヒールは9cm以上のものという分け方をしています。
【ピンヒール〈Stiletto heel〉】
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ハイヒールと混同しやすいのがピンヒール。
ピンヒールは基本的にはハイヒールと近いものを指しますが、その中でもヒールの細いものの名前です。
針のように細いヒールは女性らしい華奢な足元を演出してくれ、脚を美しく見せるのに最適なヒールとも言われますが、安定感が少なく慣れないとかなり大変です。
ちなみにピンヒールで踏まれてしまうと普通に怪我をします。どうぞお気をつけて…
【チャンキーヒール〈Chunky Heel〉】
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近年この名前で呼ばれることが多くなったので認知度も高いのではないでしょうか。
「チャンキー(Chunky)」は「ずんぐりとした」という意味があり、太いヒールの総称。ピンヒールとは真逆の存在です。
ヒールの高さは関係なく太いヒールのものの多くはチャンキーヒールと呼ばれます。
ヒールが太いので安定感がしっかりあって、ヒール慣れしていない人でも歩きやすいのが特徴です。
カジュアルなイメージもあるので、デイリー使いしている人も多いのではないでしょうか。
【コーンヒール〈Cone heel〉】
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チャンキーヒールに近い存在ですが、コーンヒールの形状は円錐型。
アイスクリームのコーンのような形で、地面に向かって細くなっているのが特徴です。
チャンキーヒールほどではありませんがこちらも安定感がしっかりあります。
ヒールは苦手だけどヒールが求められるフォーマルな場面などでも活躍します。
【ルイヒール〈Louis heel〉】
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先に登場したルイ14世がハイヒールを流行させた名残で確立したのがルイヒールです。
ヒールの付け根が太く中ほどがくびれ、地面に向かって太くなる曲線的なヒールの形状を指します。
ルイ14世ののち、ルイ15世の時代に流行したことから「ルイフィフティーンヒール」と呼ばれることもあります。長いですね…
【フレンチヒール〈French heel〉】
フレンチヒールとルイヒールはほぼ同義と考えて良いでしょう。
フレンチヒールはルイヒールの一種で、ヒールがそんなに高くないものを指している場合もありますが、現代において差はほとんどないように思います。
現代日本では、ルイヒールよりもフレンチヒールのほうが認知が広いようなイメージですね。
【フレアヒール〈Flare heel〉】
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名前だけ見ればフレンチヒールやルイヒールの仲間っぽいですが、見た目はチャンキーヒールと混同してしまいそうなのがフレアヒール。
基本は太いヒールで地面に向かってまっすぐ太くなっていく台形のヒールのことです。
実は1940年代に登場していながらそこまでヒットせずに生き残っているという不思議なポジションのヒールなのです。
ところが近年、若年層を中心にヒール離れが進む中、歩きやすいチャンキーヒールやローヒールが脚光を浴びている流れでじわじわと注目を集めているようです。
【ウェッジヒール(ウェッジソール)〈Wedge heel(Wedge sole)〉】
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ウェッジヒールはその名のとおりくさび形のヒールのことを言います。
かかと部分が高くつま先側が低いので、正面から見ると普通のヒールと変わりませんが、横から見ると靴底全体が直角三角形のような形になっているのが特徴。
地面に接する部分は平らで、土踏まず部分の底にくぼみがない形状です。
ウェッジソールとも呼ばれます。
【セットバックヒール〈Set back heel〉】
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ハイヒールの中でも少し上級者向けなのがセットバックヒール。
主にハイブランドのシューズで見られるデザインですが、かかとの後ろ付け根の部分から地面に向かってヒールが垂直に伸びているのが特徴です。
【スタックドヒール〈Stacked heel〉】
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誤解されやすいヒールの代表的存在のスタックドヒール。
木目のような柄があるので木で出来ていると思われがちですが、スタックドヒールは革を積み上げて作るヒールです。
高級紳士靴にも使われる製法ですが、昔ならではのヒールの作り方でクラシックな雰囲気と高級感が特徴です。
本スタックは全て本革でできているので重さもそれなりですが、耐久性にかなり優れています。
もっとも、近年出回っているものは革を積み上げたものを薄くスライスし、それをプラスチックのヒールに巻きつけたものや、プラスチックヒールに直接シマシマ模様をプリントしている”プリントスタック”もあるので、本スタックに出会える機会はなかなかないかもしれません。
【キトゥンヒール〈Kitten heel〉】
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キトゥンヒールは子猫(Kitten)とヒール(Heel)の合成語。
小さくて可愛らしいヒールのことを言います。一般的には3~5cm程度の低いヒールを指すことが多いです。
普段スニーカーやフラットシューズばかり履いているという人でも挑戦しやすく、ちょこんとついたヒールが見た目的にもとっても可愛いので近年注目を浴びています。
同じキトゥンヒールでもヒールの太さでだいぶ印象が変わるので、ヒール苦手女子でも様々な種類を楽しめます。
いかがでしたか?
一口に”ヒール”と言っても様々な種類があります。
イメージや使う場面などでも選ぶべきヒールは変わってきます。
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違いをよく理解して、TPOに最適なヒールを選べるようになりたいですね。