パンプスの歴史や発祥から近年の流行まで

2020年04月06日

女性らしさの代名詞である「パンプス」は、世界中の女性から愛されています。現在、パンプスやハイヒールを履く女性は減少傾向と言われていますが、それでもオシャレな女性にパンプスは欠かせないアイテムのひとつです。


今回は、女性シューズ専門店のmamianが、パンプスがファッションアイテムとなった歴史について紹介します。



現在のパンプスの発祥は?


1600年代のフランス・パリで履かれるようになった靴がパンプスの原形、と言われています。

(※"ヒール靴"という括りならば紀元前400年の遊女が履いていたもの、とされることもありますが、ここでは”パンプス”の原形についてお話しします。)


1600年代のフランス・パリ。

聞こえこそオシャレで高貴な印象があるものの、このとき登場したパンプスはファッション目的ではありませんでした。


中世のヨーロッパでは、トイレに行って用を足す習慣がなく、建物のなかから投げ捨てたり、庭や木の植え込みのなかで済ませたりしていました。この行為は、ベルサイユ宮殿内でも行われていたくらい当たり前だったのです。


当時の女性が履いていた裾が長くて膨らんだ形をしたスカートも用を足す姿を隠すためでしたが、道や庭が非常に汚かったことから、スカートや靴は歩くとすぐに汚れてしまいます。そこで、厚底靴が注目され始めますが、厚底靴は歩きづらいことからなかなか浸透しませんでした。

そこで、厚底でも歩きやすいように改良されたかかと部分のみを厚底にした靴=ハイヒールが誕生します。


このハイヒールの原形が誕生したあとは、フランスのルイ14世が気に入ったことでファッションアイテムとして広がっていきます。

ハイヒールは履いた時に背筋が伸び、ふくらはぎの筋肉がきゅっと引き締まることで脚線美を生むため、立ち姿が非常に美しいと男女問わず舞踏会で人気を博しました。



パンプスの名前の由来は?


パンプスの名前の由来は、近代ヨーロッパで作られた御者用の靴と言われています。

この御者用の靴は、履き口が大きく開いたデザインで、長時間馬車を運転するのに最適でした。馬車を運転する際に、ブレーキペダルを何度も踏む様子が、手押し「ポンプ」の動きと似ていたことが「パンプス」の由来と言われています。


パンプスは履き口が開いていることから、足を長く見せる効果があったためドレス用に転用されていきます。

ルイ14世の時代には舞踏会で男女問わず人気を博したパンプスですが、男性はナポレオン戦争の時期から実用的なブーツを履くようになったため、これ以降は女性用の靴としてデザインされるようになりました。


90年代前半のパンプス


1910年代はファッションアイテムやデザインの種類も少なく、ブーツが主流の時代でした。

ハイヒールのパンプスは、夜会やお祝い事の日に履くもので、デザインも19世紀の印象が強いままです。


1920年代、1930年代には、ファッションにバラエティが出てきて、さまざまな素材・デザインのパンプスが生み出されました。

女性のスカートが少し短くなった時代でもあり、ストラップ付きのパンプスや、カットアウトデザインなどで多くの女性が足元のオシャレを存分に楽しみました。


ハリウッドの全盛期には、人気女優たちの間でセクシーな服装が流行った流れで華やかかつグラマラスなパンプスが流行します。素材には、レザー、着色したレザー、スウェードが使われました。


1940年代は戦争の影響で「非常時に備えた」ファッションが主流に。パンプスもシンプルな色とデザインが主流になり、太いのヒールのものが多くみられるようになってきます 。

40年代に流行したトレンチコートには華奢でエレガントなパンプスよりかっちりしたものがよく似あったので紳士靴風のマニッシュなパンプスも増えていきます。


ちなみにプラットフォームパンプスやウェッジソールの原形が登場したのもこの時代だったようです。



90年代後半のパンプス


1950年代のパンプスは、戦後の晴れやかな雰囲気と相まって、華やかで可愛らしいデザインのパンプスが流行します。ヒールが細いパンプスも再び流行し、露出の多いデザインも増えました。ビニールやプラスチックといった新しい素材も登場し、オシャレの幅が広がった時代です。


1960年代は、カウンターカルチャーの時代。若者文化が広く花開き、左右非対称など斬新なデザインやピンヒールなどが登場します。


オードリー・ヘップバーンの履くキトゥンヒールも大きな注目を浴びます。


また、ロンドンのストリートカルチャーが大流行した時代でもあります。古き良きノスタルジックなデザインが流行しました。


1970年代はディスコ全盛期。ダンスが踊れて派手なデザインのパンプスが主流になります。レインボーカラーや大胆な柄のパンプスも流行しました。


1980年代は、肩パットやギャザースカート、フリル袖、ソバージュ系パーマなどのボリューミーなファッションがトレンドとなりました。

パンプスもこのトレンドにのって、インパクトがある大きなデザインのものが流行。力強い原色で印象付けたり、フリル付きソックスと合わせたりと派手なオシャレが主流でした。


1990年代は、80年代の反動で、スタイリッシュでシンプルなファッションが流行します。スキニーなトップス・パンツに、ストレートの髪、ナチュラル・シンプルなメイクの時代です。

パンプスも同様にシンプルでシックな印象のデザインが多くなりました。トゥ部分のみの控えめな装飾、ベーシックなカラー…ギラギラした派手なデザインのものは影を潜めます。

また、シンプルでも脚が長く見えるプラットフォームが人気でした。



2000年代のパンプス


2000年代になるとパンプスのデザインの多様性が格段と広がります。ミュールが流行したのもこの時代。

00年代はガールズバンドが大流行した時代でもあり、セクシーさの中にも「戦闘力」のある強めなデザインのパンプスが流行します。


2010年代のパンプス


2010年代はSNS全盛期。セルフプロデュース力の高いセレブたちや一般人でも流行を生み出す時代になり、これまで「一部の特殊な趣味な人たち」のファッションだと思われていたものが当たり前に使われるようにもなります。

個性的なデザインからミニマルなデザインまで。本当に様々なデザインのパンプスが世に出てきています。



まとめ


今回は、パンプスの歴史について、発祥から近年の流行までまとめて紹介しました。mamianの靴は、女性の足を美しく魅せる靴を作っています。


カジュアルなデザインのものから、就活・ビジネスシーンで使えるものまで多彩なパンプスが揃っているため、ぜひ自分好みのパンプスを選んでみてください。ヒールの高さやつま先の形、色から絞りこんでみましょう。



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